新田國夫
一般社団法人全国在宅支援医協会会長
日本臨床倫理学会理事長
医療法人社団つくし会理事長

食べる力を支えることは人間力を高めること

摂食嚥下支援の領域が私の行ってきた在宅医療と結びついたのは、2005年に多摩立川保健所の摂食嚥下機能支援事業が始まったときからである。

口から応しく安全に食べるために、食べる機能を支援する町づくりが始まった。当時はまだ摂食嚥下機能なるものが理論的にも明確に確立できていない状況で、まとまった医学的エビデンスもない中、高齢者が誤嚥性肺炎を併発する際に、その評価機能ですら不明確であった。

在宅高齢者は様々な疾患を抱える中で、摂食嚥下の機能が低下していく。個別の対応のみでは限界があり、地域での対応に迫られていた。

多摩立川保健所で会議体が作られた。歯科医師との連携も公に明確となり、歯科の分野も理解できるようになった。学識のある歯科医師から摂食嚥下機能について多くのことを学んだ。

食べる力を支えることは人間力を高めることであり、今回の会の発足がこうした支援の援助になることを期待するものである。







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