渡辺三恵子
社会福祉法人世田谷区社会福祉事業団 特別養護老人ホーム芦花ホーム
歯科衛生士
元気高齢社会の実現を
長年特養ホームに従事していて、たくさんのことを学ばせていただいています。最近は、つくづく予防の重要性を感じます。
コロナ禍のこの数年外出や外部の方々のイベントもできなく、食べることの楽しみがすべてになったようにも思います。食べることのできる口腔の環境作りはもちろんのこと、職員間で以前より食事をする雰囲気にも気を配ることが多く、音楽を変えたり、静かな場所が合う方は談話コーナで2〜3人で食べていただいたりしています。食事、歯磨き、排泄と忙しく流れ作業になりがちだった毎日に、大きな変化です。
いろいろと工夫して安全で美味しく食べていただきたいですが、やがて、食べることが苦痛になる時期がきます。ご自分の意思を伝えてくださる方は、皆、最期が近いと、「お水ください」とおしゃいます。口から食べることを最期までお手伝いしたいのですが、窒息や不顕性誤嚥で急に入院をすることになったりすると、すべてが切ないです。
いろいろな原因があり、それに対する予防があります。皆が高齢になる前からそうした知識を得て、少しずつ実行していくことが、元気高齢社会を築くためには必要です。私も、ほんの少しでもお役に立てれば幸いです。
Kuchino Kenkoto Taberu Chikarawo Sasaerukai